きららで〜す
ようこそ、あたちのお部屋へ!!
あたちはさがみのルームメイト、名前はきらら(雲母)といいます。
キジトラ柄のキュートな仔猫です。うさぎの「しっぽな」や10羽の鳩さんたちとの楽しく愉快な毎日を
エッセイにしてみました。お暇なお方、そう、そこのあなた!!是非、このお部屋にも寄ってみてね!

第2章
今日もいつもと変らない。
お昼頃、サガミと一緒に起きてロフトを駆け下り、ご飯をねだって「カルカン」を食べる。
しかし、もう3日連続で「カルカン」だ・・・。サガミはあたちがグルメだってことに気がついていないらしい。
うんにゃ、気がついているのに、ご飯代節約のためディスカウントショップでまとめ買いをするから
同じご飯しか出てこないのだ。

ちょっと食べてから前足で砂をかけるフリをして「カルカンはもう飽きた」っと言ってみたけど、
サガミは見てみぬフリだ。しばらくして、また同じ訴えをしてみたら「わがままを言うな!」っと叱られた。
こちらも負けじと睨み返してはみたものの、サガミはやっぱり見てみぬフリを決め込んでいる。(クスン)
このまま我慢比べを続ければ、餓死してしまう。こんな都会の真ん中でそれだけは避けたいと思い、
仕方なく、ホントに仕方なく「カルカン」を食べることにした。

この頃あたちはベランダに出るのがお気に入りだ。
サガミが洗濯物を出したり、お花に水をやるために網戸を開けた瞬間に飛び出すのだ。
その後、しばらくベランダからの景色を楽しんだり、すずめたちがくるのを待っていたりする。
鳩さんの小屋の上でウトウトすることもある。暖かい陽だまりに体を包まれてお昼寝をするひとときは、
「あ〜、猫に生まれてきてホントによかった!」と心の底から思える瞬間である。
ところが、今日事件が起きた。

あたちがベランダでのひと時を楽しんでいると、ピンポーンと
宅急便屋さんがやってきた。サガミは忙しなくハンコを探したりと宅急便の対応に追われている。
そんなサガミを横目にあたちはベランダでのお昼寝を中断し、押入れの中を探検することにした。
押入れの中は、狭くて真っ暗でひんやりとしていてとっても気持ちがいい。
そう、ここもお昼寝には絶好の場所だ。
探検を楽しんだのもつかの間、あたちはまた睡魔に襲われてしまった。
ウトウトしていると、なにやらベランダでバタバタと忙しない音とあたちを呼ぶ声が聞こえてきた。
しばらく無視をしていたけど、あまりにも騒がしいので「にゃんにゃの??」と
押入れから出ることにした。
ベランダに目をやると、そこには形相を変えたサガミがベランダから身を乗り出し、
今にも落ちそうな格好で、下や隣の部屋を覗いている。
何事かと思い、「フニャン!」っと一声鳴いたら、ビックリ顔のサガミと目があった。
「ニャニゴト?」っともう一言声をかけたら、すごい勢いでサガミはあたちに駆け寄り、
そしてあたちを強く抱きしめた。ちょっと苦しかった・・・。
でも安堵の表情を浮かべたサガミを見て、あたちはすぐにこの事態が把握することができた。
そう、サガミはあたちがベランダから下に落ちたり、隣の部屋に行ってしまったんじゃないかと思ったのだ。
あ、っそっか、サガミはあたちが押入れに入ったことを知らなかったんだってね。ばっかね、うふふ。

そのあと、サガミは一通りあたちを撫で、網戸をピシャリと閉めてこう言った。
「もう、ベランダに出てはだめ!」
・・・・・・、そ、そんにゃぁ〜・・・!!
だ、だって・・・、サガミが勝手に勘違いして、勝手に騒いで、勝手に驚いて、勝手に安心しただけじゃにゃいかぁ〜〜。
勝手にそんなこと決めるにゃ〜〜!!
あたちのルールはあたちが決めるよ、っとその後も何度かベランダに出ようと試みたけど、
サガミがいつも目を光らせているので、思うように出れなくなってしまった・・・。
そこで、あたちは仕方なく、ホントに仕方なくお気に入りの座布団の上でお昼寝をすることにした。

あたちは一日の殆どを寝て過ごす。
たまに起きて鳩さんを眺めたり、爪を研いだり、毛づくろいをしたり、部屋を猛ダッシュで3往復したりするけど大半は寝ている。
そんなあたちに、サガミはグチグチと愚痴をこぼす。
愚痴だけならまだ我慢もできるが、エキサイトしてくるとその愚痴はいつのまにか説教に変っている。
「毎日毎日寝てばっかりいて」と言うセリフから始まり、その説教は延々と続くのだ。
「何か他にすることはないの?」
「何の為に生まれてきたか考えたことはある?」
「ホントにあなたはそれで幸せなの?」
「他の猫はどうしているんだろうっとか不安にならないの?」
「ご飯を食べて暇さえあれば寝てばかり・・・、そんな人生であなたは満足できるの?」
「働かざるもの食うべからずってことわざ知ってる?」
「そんなに寝てばかりいて、脳みそが腐っても知らないからね!!」「寝てばかりいる人生に罪悪感を覚えないの?」
などなど・・・・・。
終いには、「何で肉球があるのぉ〜〜??」などと言って、許可もしないのにあたちの肉球をプニプニと触ってくる。
こんな訳もわからない説教が1時間近く続く時もあるのだ。
聞き飽きたよ・・・っと場所を変えたり、欠伸をしたりすると、
「ちゃんと聞いてるの??」とどこまでも追いかけてきて睨むから始末に終えない。

あたちは猫だから『人生』じゃないし、寝てばっかりいるのはやっぱり猫だからで、脳みそだって腐るわけが無い。

仕方がなく、ホントに仕方なく猫をやっているのだ。
いや、仕方なく・・・ではないにゃ。
あたちは猫であるがゆえに、猫なのであるからにして、猫でよかったっと心から思うのである。

そして、あたち憂鬱の日々はまだまだ続くのである。

第3章
あたちの部屋に新参者が現れた。

その日は、朝からなんだか忙しなかった。
いつもなら昼過ぎま寝ているサガミが早朝から起きだし、なんと部屋の掃除を始めたのだ。
散らかり放題になっているこの部屋を一心不乱片付けている。
そんなサガミを横目に、「毎日少しずつ片付ければそんな苦労することもないのにな」と、
半分呆れ顔で眺めながら、あたちはお気に入りの座布団の上でまたウトウトすることにした。
しかし、その浅い眠りも束の間だった。
何故なら!あたちの大嫌いなモンスターが動き出したからだ。
そいつはずんぐりとした大きな体をしていて、長い鼻を持っている。
グォーグォーと、それはけたたましい叫び声を出しながら、そこいら中のゴミや埃を長い鼻から食べる、
なんともおぞましい怪物なのだ。
数日前も悲劇が起きた。
それは昼下がりにいつものようにウトウトしていた時のことだった。
なんの前触れもなくそいつが動きだしたので、あたちはすぐさまテーブルの下に隠れ、気づかれないように息を潜めていた。
しかしそいつは、あたちを難なく見付け、からかうかのようにあたちに迫ってきたのだ。
あたちは恐怖のあまり、テーブルの下で思いっきり飛び上がってしまったので、頭と背中をテーブルの天板に
思いっきりぶつけることになってしまった。
プランターの裏に隠れても、鳩さんの小屋の陰に隠れてもそいつは容赦なくあたちを追いかけまわす・・・。
もう逃げるところがない!サガミに助けを求めようと彼女の姿を探すと、
なんと!!そのモンスターを操っているのは他でもない、サガミだったのだ。
あたちは、そのモンスターとサガミの関係を未だ理解できない。
なんでサガミはあんな奴を飼っているんだろうか??
そして、あたちがサガミに不信感を抱いたのは言うまでもない。

話が少し脱線してしまったが、とにかくその日は朝から大忙しだった。
っと言っても、忙しかったのはサガミだけで、あたちにとっては何の変哲もない平凡な一日だった・・・
いや、そうなるはずだったと言ったほうが正しい。
夜遅く帰ってきたサガミの腕に真っ白くて、小っさくて、耳の長い見たこともない奇妙な生き物がいたのだ。
そいつは哺乳類のげっ歯目ウサギ科という生き物らしい。
サガミは「仲良くしてね。」っとそいつをあたちに紹介してくれた。
なんでも名前は『しっぽな』というらしい。
そう、その『しっぽな』なる生き物があたちの部屋の新参者だ。

しっぽなはピョコピョコ動く。
しっぽなはピョンピョン跳ねる。
しっぽなはモグモグ食べる。
ピョコピョコ動いたかと思うとピョンピョン跳ねる。
跳ねたかと思うとピタっと止まり、辺りをキョロキョロ見回し、
またピョコピョコ動く。
あ〜〜、な、なんなんだぁ〜???この生き物は!!
一緒に遊びたい、舐めてみたい、触ってみたい、追いかけてみたい!
しっぽなの動きは、あたちの中に眠る先祖から伝わる野生の血を呼び覚ます。
しっぽながゲージから出て遊んでいる時は、あたちのハートはしっぽなに釘付けになってしまうのだ。
この興奮はなんなんだろう・・・??
そこであたちは、ご先祖様から受け継いだ本能のまましっぽなを追いかけてみる。
すると、そこでいつもサガミが奇声とも思える声であたちを叱り付けるのだ。
しっぽな目掛けて勢い良く走り出したあたちは、その声に驚きとりあえず方向転回をし、
物陰にかくれ、次の機会を待つ。
そうよ、あたちはハンターなんだもの。一度狙った獲物は絶対仕留めてみせるわ!
しかし、そんなあたちの思惑をサガミは見抜いているかのようで、何度か仕留め損ねたあとは、
トイレという名の個室に閉じ込められてしまう。
にゃんにゃんだよぉ〜〜!っと声を張り上げ抗議するけど、しばらくは出してもらえない・・・。
辛抱強く個室の中で待っているけど、考えるのは愛しいしっぽなのことばかり。
やっと出してもらうと、待ってました!っとまた勢いよくしっぽな目掛けて突進する。
そしてあたちは、またトイレと言う名の個室に逆戻りしてしまうのだ。

「仲良くしてね」とサガミはあたちに何度も言う。
あたちはあたちなりに仲良くしたいと思っているのに、あたち流の「仲良し」は
サガミとしっぽなには通用しないらしい。
サガミは「どうして私の気持ちを解ってくれないの?」と悲しみと怒りを込めた言葉を投げつけるけど、
あたちにだって言い分はある。
そう、あたちは猫なんだってことをね!
けど、サガミを悲しませる訳にはいかないので、サガミが見ているときはなるべく陰からしっぽなを見つめることにしよう。
そう、努力してるつもり。
気持ち押さえて、押さえて、努力してるつもり。
あ〜、あたちの努力は猫族始まって以来の表彰もんに違いないわ!

だけど、今日もしっぽなを見つめているあたちのシッポが、興奮のあまりコブラのように膨らんでいることをサガミは知らない。

そして、あたちの憂鬱の日々はまだまだ続くのである。

おちまい。

次号執筆未定。

第4章
春がきた。
夜明けが白み始めるの早くなり、すずめたちのピチピチと鳴く声が騒がしく、
最近はすっかり早起きになってしまった。
桜も北上前線まっしぐらで、今ごろは東北あたりをピンクに染めているに違いない。
そして、あたちのハートにも春がきた。そう、恋の季節がやってきてしまったのだ。

鳩さんたちは、毎日のように愛のメロディーを奏でながら求愛のポーズをし、恋を成就させている。
その証拠にどのカップル(我家には4組のカップルがいる)にも可愛いタマゴが誕生しているのだ。
母鳩は飽きもせず同じ場所に座り込み、ときどきくちばしでタマゴをコロコロと転がしながら、
愛しそうにそれを見つめ温め続けている。
タマゴのサイズはサガミの親指よりちょっとだけ小さい。
もう少し近くで見たいと思い小屋に近付くと、
鳩さんたちは凄い勢いでふくらみ(いきなり2倍くらいの大きさになってしまうからビックリだ)、
羽を大きく広げ攻撃態勢になり、あたちを睨みつける。
こないだ鼻面を小屋に押し付けたら、尖っているくちばしで思い切りつつかれてしまった。
あたちがタマゴを食べてしまうと思っているのかにゃ〜?
ふんっ・・・、あんなちっこいのでは、あたちのおやつにもならないよ。
だいたい最初から、食べるつもりなんてないのさっ、信用ないんだにゃ・・・、シュン。
それにしても、あんな小さいところから一体どんな鳩さんが生まれてくるんだろうか??
生まれてきた時から、ポーポーっと鳴くんだろうか?
生まれてきた時から、真っ白い羽をパタパタと動かすんだろうか?
生まれてきた時から、とうもろこしを丸呑みしてしまうんだろうか?
あ〜、いくら考えても想像がつかない。
だけど、あと20日もすれば、あの小さいタマゴからどんな鳩さんが生まれてくるのかを
見ることができる。
それを考えるだけで、今からワクワクしてしまうのだ。
まるまると太った美味しそうなヤツだったらいいにゃ。

新参者のウサギのしっぽなはすっかり大きくなり、今ではあたちと同じくらいの大きさになってしまった。
ヤツが我家にきて一ヶ月ほどしたある日、脅威の新事実に気がついた。
女の子だと思っていたのに、なんと!!男の子だったのだ。
それまで、しっぽなを箱入り娘のように大事にしていたサガミは
その事実を知った途端、「男の子なんだから」っとたくましく育て始めた。
しっぽなはあたちが大好きで、来る日も来る日もあたちを追いかけてくる。
ご飯を食べていても、お昼寝をしていても、ヴーヴーっと言いながら
近寄ってきては、耳の後ろやシッポを丁寧に舐めてくる。
実はちょっと迷惑なのだが、あたちのほうがお姉さんだから仕方がない。
あたちが三角座り(おしりをぐっと前に突き出し、前肢の片方で身体を支え、
お腹の下半分からシッポの付け根のあたりを舐められる体制のこと)
で毛づくろいをしているときは、
「今度はぼくちも舐めて」とばかりに鼻面をぐいぐいとあたちの身体に押し付けてくる。
あたちは自分を舐めているつもりが、たまに間違ってしっぽなを舐めてしまうことがある。
そうするとしっぽなは、それは気持ちよさそうに薄っすらと目を閉じて恍惚の表情を浮かべるのだ。
あんまり気持ちよさそうなので、間違ったことに気がついたあとでも
しっぽなが「もういいよ。」っと言うまで舐め続けてあげるのだ。
そんなあたちって、やさしい??
ときどき、舐めているときに興奮してきて、カプっと噛んでしまうこともあるんだけど、
それはサガミには内緒なのだ。

そして最近、しっぽなはあたちにおかしなコミュニケーションをとってくる。
目をらんらんと輝かせ、あたちに求愛してくるのだ。
あまりにも大胆な求愛をしてくるので、最初は戸惑ってしまったけど、
この頃はそれも慣れてきて、あたちもしっぽなを受け入れてあげることにしている。
そんなあたち達を見てサガミは、
「ウサギネコが生まれるといいなぁ〜」と、馬鹿げたことを言っている。
そんな動物見たこともないし、聞いたこともない。
「生まれたら学会で発表し、ウサギネコの研究をしてお金儲けをしよう」
と、夢のまた夢みたいなことまで考えているらしい。
そんな夢見てる暇があったら、手品の研究のひとつでもすればいいのに・・・
と思うあたちの傍らで、サガミは今日も夢見心地である。

鳩さんも恋をしている、しっぽなもあたちに恋している。
しっぽなが好意を持ってくれるのは嬉しいけど、できればあたちは普通の恋がしたい。
ルックスにはこだわらないけど、目がきりりっと切れ長で、耳がピンっと立っていて、
シッポも長くてしなやかなのがいいな。
ガラにもこだわらないけど、斑点ガラより虎ガラ、虎ガラより真っ白いのがいい。
真っ黒でもいいけど、グレーのほうがいいかな。
こないだ愛猫図鑑で見た「ロシアンブルー」という種類の猫は神秘的な色をしていて、
体つきもたくましく、優雅と気品に溢れていて、あたちの理想に近かったにゃぁ〜〜。
短毛種でも長毛種でも、どちらでもいいけど、強いて言えば短毛種のほうがいいかしら。
経済力にもこだわらないけど、人に恵んでもらってばかりではなく、自分の力で魚の一匹でも捕れるような自立心があって、頼りになる猫がいいな。
プロポーズには、干物の魚より生きのいい魚を持ってきてくれるような
気の利く猫じゃなくちゃお断りだわ。

そんなステキな猫と恋をするために、あたちは朝も昼も夜も窓辺に立ち、
「あたちはここよ」と、声を張り上げ呼び続けているのだ。
食べては鳴き、寝ては鳴き。食べて遊んで寝ては鳴き。
一体いつになったら、ステキな恋に巡りあえるのかしら。
未だ見ぬ王子様の為に、あたちは今日も毛づくろいを忘れず、
その日を待っているのだ。

そして、あたちの憂鬱の日々はまだまだ続くのである。



第5章

 
しっぽながあたちを一生懸命舐めてるとこ。ホントはちょっと迷惑なんだけどね・・・。 しっぽなはティッシュが大好きいつもモグモグ・・・。
本や雑誌もビリビリビリ・・・。少しいたずらがすぎるようだけど。

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